相続財産として土地が遺されている場合、相続人が複数いるとその土地を誰が所有するかについて意見がまとまらない可能性があります。共有名義での登記もできますが、相続人それぞれが自由に土地を使うことができなくなるので、トラブルをおこさないためにもなるべく避けた方が無難でしょう。
相続した土地にそれなりの広さがある場合には「土地を分けてそれぞれが所有する」ことが可能です。こちらのページでは土地を分ける方法=分筆について解説いたしますので、ご参考にしてみてください。
分筆について
登記簿上1つの土地を複数に分割して登記をすることを「分筆」といいます。
分筆登記をより土地が分割されれば、土地を単独所有することができるので、それぞれの相続人が自由に管理、運用、売却等を行えますし、地目変更や抵当権も設定の手続きも可能です。
ただし、分筆を行うには前提として土地の境界が定まっている必要があります。境界が不明確な場合には、土地家屋調査士などの土地の専門家に相談しましょう。
登記に必要な書類
土地を分けた場合は分筆登記の申請が必要です。下記の書類を用意し法務局にて手続きを行います。
- 登記申請書
- 地積測量図(道路や隣接地との境界が記された土地の測量図)
- 筆界確認書(境界確認書、境界の同意書および境界の協定書の3点)
- 現地案内図
※なお代理人が登記申請をする場合は、「委任状」が必要です。
分筆時の注意事項
土地の分筆を行う際は、「不合理分割」と「最低敷地面積」に気をつけて行わなければなりません。
不合理分割
「不合理分割」とは、相続や贈与時に明らかに税金対策だけを目的として、活用が難しい形で分割することです。通常、土地を分筆して相続した方が相続税が抑ええられますが、不合理分筆にあたるとされる場合は、分筆前の地積や条件をもとに税金の計算をすることになります。
最低敷地面積
土地に建物を建てる際には最低必要とされる土地の面積が定められており、そのことを最低敷地面積といいます。この最低限度の敷地面積は、市町村単位・地区計画区域・用途地域の種別で決められており、分筆により小規模な宅地が増え住宅が密集するのを避けるのが目的のひとつです。
この最低限度未満に分筆された土地の上には建物を建てることはできないうえ、売却も難しいため、分筆の際には注意しましょう。