このページでは、「底地」と呼ばれる土地について説明します。
底地は「売りにくい不動産」というイメージを一般的にもたれていますが、そもそも底地とはどういった土地を指しているのでしょうか。
底地の定義
「底地」とは、借地権の設定されている宅地(住宅用の土地)のことです。
土地の所有者(地主)は借地契約を通じて、建物を建てるといったその土地を利用する権利、すなわち「借地権」を設定することができ、借地権を設定してもらった人のことを「借地人」といいます。
底地の地主はその土地に対して借地権付の宅地の所有権を持つことになりますが、この権利を「底地権」と呼びます。
底地の所有者は、その土地自体は自身のものですが、土地上の建物は自分の所有物ではないため、建物を第三者に売却することはできません。
底地を所有する地主には、借地人に土地を貸すことで地代(賃料)を受け取れる権利や、契約更新などの際に借地人に一定のお金を請求できる権利があります。一方で、所有者はその土地を自由に使用することができないため、「不完全所有権」のように表現される場合もあります。
底地の地主のメリット
地主が借地権を設定する最大のメリットかつ目的は、その土地で収益を上げられることです。下記のような収益を得ることができます。
- 地代(賃料)
借地人から土地の使用料を得ることができます。また、双方の合意があれば、状況に応じて金額を変更することも可能です。 - 更新料
借地契約を更新するとき、借地人に請求することで得られます。
更新料の金額としては、その土地の時価3%から5%程度が目安です。 - 承諾料
借地人は底地にある建物を第三者に売却することができますが、そのためには地主の承諾が必要です。このとき地主は借地人から承諾料を得ることができます。
そのほかにも、建物を所有しているわけではないため修繕等をする必要がなかったり、空き家になってしまうリスクがなかったりといったメリットもあります。
底地のデメリット
底地を売買すること自体は法律上可能であるものの、自由に利用できない建物が土地上に存在している不動産を購入したいと考える人は多くありませんので、一般的な不動産よりも買い手が見つかりにくくなっています。また、底地は更地よりも不動産評価が下がってしまいます。
あくまで一例ですが、第三者に底地を売却する場合、価格は更地価格の10%程度にしかならないこともあります。
※なお、借地人に底地を譲渡するのであれば、完全な所有権を持てることによるメリットが大きいため、これよりも高くなるケースがあります。詳細はお問い合わせください。
借地権について
借地権とは上記でも示したとおり、建物の所有を目的として他人の土地を借りる権利のことです。
借地借家法によれば、借地権の定義は「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。」となっていますが、建物を建てるために土地を借りる際に地上権契約を結ぶケースはほぼなく、借地権契約を締結することが一般的です。
すなわち、一般的に借地権といわれる権利は、この賃借権のことを指しています。
底地と借地の違い
「底地」に似た言葉として「借地」が用いられることがありますが、両者は物理的には同じ土地のことを指しています。すなわち、借地権を設定した土地所有者から見ればその土地は「底地」であり、借地権を設定してもらった建物所有者から見れば、「借地」である、ということです。
まとめ
借地権が設定されている底地の地主は、所有者であるにもかかわらず、その土地にある建物を自己の所有物として使用することも、売却することもできません。
そのため資産価値は低い傾向にあるものの、安定的に賃料収益を得ることができるというメリットもあります。底地を売却するか、賃貸借を継続するべきかは、ご自身だけで判断することは難しいでしょう。知多半島エリアにお住まいで、底地の活用に迷われている方は、不動産売買や知多半島の土地柄に精通した一心コンサルティングまでお問い合わせください。